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デブちゃん

デブちゃん!デブちゃん!

両手両足を突っ張り、仰け反って硬直するデブちゃんの身体を抱きかかえ
揺さぶりながら、私は必死でそう叫び続けた。

デブちゃん!デブちゃん!




一体、どれくらいの時間が経ったのだろう。

私の必死の呼びかけに、デブちゃんの瞳がこっちに戻ってきた。

Junちゃん、どうしたの?とでも言いたげに、真っ直ぐに私を見つめる瞳。

デブちゃん!大丈夫?!

当のデブちゃんも、一体自分に何が起こったのか分からないというような感じだった。

それでもまだ下半身は伸びきっていて、硬くなったまま動かないでいる。

硬くなった後ろ足を揉み解しながら、片手で携帯を操作し、病院に電話をかけた。

プルルルル プルルルル

午後の診察にはまだ時間があるけれど、きっと誰か出てくれるだろう。

また痙攣がきたら大変だ。とにかく病院で診てもらわないと・・・。

プルルルル プルルルル

「はい、○○動物病院です」

痙攣は治まっているが、念のため今すぐ診てもらいたいことを告げる。

「少しお待ちください」

待たされる間のたった数秒がとても長く感じ、デブちゃんを抱く手に力を込める。

「では、お待ちしております。気をつけていらしてください」

そう返事を聞き、デブちゃんをキャリーに入れると急いで病院へ向かった。




病院では先ず問診が行われ、今までにもあったかどうか
それと、痙攣の様子や、その時間の長さなどを聞かれた。

もちろんこんなことは初めてだ。

それに、今思えばたった数十秒の出来事だったのかも知れない。

もし経験済みならば、もう少し落ち着いて対処出来ただろうとも思う。

でももうこんな体験はしたくないし、させたくもない。というのが率直な気持ちだけど。



デブちゃんの痙攣の原因は何か。

それを調べるために、3時間ほど病院に預けることになった。

それにまたいつ発作が起こるとも分からない。

帰りの車中、緊急に備えて携帯番号を伝えるため、再び病院へ電話をかけた。



家で待っている間の3時間は本当に長い。

考えたくはないことが、次から次へと浮かんでは消えていく。

幸いにも病院からの連絡はなく、無事に迎えの時間となった。



病院に着くとすぐ診察室に呼ばれ、先生の説明を聞く。

血液検査の結果、血中のアンモニア濃度がかなり濃くなっていて
それが脳の機能を侵し、痙攣を引き起こしてしまったようだった。

デブちゃんは腎臓機能が低下している。

腎臓が十分に動いてないと尿が出にくなり、体内にいろんな毒素が溜まりやすくなる。

そのひとつがアンモニアだ。

これは蛋白質がうまく排泄されなことが原因だという。

とりあえず蛋白質を外へ出す手助けをしてくれる注射をしてもらうことになった。

そのあとの治療法は、やっぱり点滴しかないらしい。

「今、デブちゃんを連れてきますからね」

先生の腕に抱かれたデブちゃんは、かすれた声で泣いていた。

「デブちゃん、迎えに来たよ。一緒におうち帰ろうね」 そう優しく声をかけた。





そして今日。

その後のデブちゃんに痙攣は起きていない。

が、相変わらず顎はカクカクさせていて、ご飯も思うように食べられないでいるし
歩く姿もフラフラで、少しの段差でもバランスを崩して転んでしまう。

そんなデブちゃんだけど、変わったことがひとつだけあった。

それは、ここ数年、あまり抱っこさせてくれなかったデブちゃんが、私の側から
離れようとせず、膝に乗り、前足を私の肩に掛け、抱っこを求めてきたことだ。

何だか昔のデブちゃんに戻ったような、そんな気がして嬉しかった。

でもその反面、今になってなぜ?という得体の知れない不安も同時に込み上げてくる。

昔よりも遥かに軽くなったその身体に、あの頃の面影はなかった。

「デブちゃん」

私の呼びかけに返事をする代わりに、肩に掛けた手にぎゅっと力を込める。

骨と皮だけになったデブちゃんの、かすかな吐息を首元で感じた。

ほんとはデブちゃんが1番辛くて大変なんだよね。

病院に行くだけだって、今のデブちゃんにはかなりの負担になるし。

病気は良くなるどころか悪くなっていく一方だしね。

デブちゃんにとって、今、何が1番幸せなのか。

デブちゃんはどうしたい?



あまり考えたくはないけれど、ついに覚悟を決めるときが来たのかも知れない。

でもね、デブちゃん。

もう頑張らなくてもいいよって言える勇気がJunちゃんにはまだないよ。

辛い思いばかりさせてごめんね。

でもね、あと少し、あと少しだけでいいから・・・。

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